2006年05月05日
マイアミにはNBAのマイアミ・ヒートの他に、MLBのフロリダ・マーリンズも本拠地を構えている。ただし、マイアミ・ヒートのホーム・コートはマイアミ・ビーチとマイアミ市街とを結ぶ橋のたもとにあり大きなショッピングセンターが隣にあって交通の便も比較的いいのに対して、フロリダ・マーリンズのホーム・スタディアムはマイアミ・ビーチからハイウェイを北上して30分ほど走らないといけない場所にある。
プレイオフ期間にあたるNBAと違って、MLBはまだレギュラーシーズン序盤。現地の様子もわからないまま、日本にいる間にオフィシャル・サイトでチケットを購入しておいた。席の場所はバックネット裏の3列目。日本でもこんな席で観たことない。2年前にボストンでレッドソックスの試合のチケットを購入しようとして苦労したのとは大違いだ。
フロリダ・マーリンズにはほとんど知っている選手もいない。ただ、この日のセントルイス・カージナルス。カージナルスには田口壮がいる。田口と言えばシェアなバッティングと強肩。オリックス時代にイチローと組んだ外野守備で定評はあったけれど地味な選手だった。FAでカージナルスに移籍したのをニュースで知って、失礼ながらあんな地味な選手が!とびっくりしたのを覚えている。
カージナルスに移籍した後も1年目、2年目はマイナー・リーグ暮らしが長く、3年目にようやく開幕メジャーと玄人好みの選手だ。僕はミーハーなので、僕がマイアミにいる間に同じフロリダ半島のタンパベイに来てデビルレイズと対戦したニューヨーク・ヤンキースを観たかったのだけれど、マイアミからタンパベイまでは同じ半島だとはいっても400kmくらい離れているのでしかたがない。
ドルフィン・スタディアムには結局、適当な交通手段がなくタクシーでいくことになった。チケット交換所でネットで予約したときの予約番号と本人確認のためのパスポートを見せてチケットをもらう。するとチケット交換のスタッフが僕のバックパックを見咎めて、カバンを持っていてはスタディアムに入場できないと言ってきた。カバンはクルマに置いておくように言われる。でも僕はタクシーで来たわけでカバンを置いておけるクルマがない。僕は旅行者でタクシーで来たんだからどうしようもないでしょと抗議すると、入場口の警備員に相談するように言われる。
実はマイアミ・ヒートの試合の時にもカバンは持込禁止で預り所で預かってくれた。預けて安全なんだよね、と預り所のおばちゃんに余計なことを言ったら私がしっかり見てるわよと怒られたけれど、システムはきちんと整っていた。ここはそうではないようだ。街中にあるNBAのコートと違って自家用車以外で観戦にくることは想定されていないみたいだ。警備の人に事情を説明すると、5分ほど歩いて倉庫の片隅みたいなところにある警察の出張所(?)に連れていかれてここで預かってもらえることになった。カメラや双眼鏡を取り出して、からっぽになったカバンを預ける。
スタディアムは芝生の緑と走路の茶色、それに観客席のオレンジが調和して綺麗だ。レッドソックスのフェンウェイ・パークのように歴史溢れるスタディアムではないけれど、悪くない。外野席はがらがら。おかげでオレンジの色彩が余計に迫ってくる。場内整理の人に写真を撮ってくれないかと頼むと気持ちよく引き受けてくれた。悪くない。
ドルフィン・スタジアム

さて、プレイボール。マーリンズの先発はミトレという右投げのピッチャー。田口は左投げのピッチャーの時には先発するけれど、右投げの時には代打や守備固めで起用されることが多い。この日もベンチスタート。試合は5回にカージナルスが大量7点を入れ楽勝ムード。田口は出番がないまま9回表のカージナルスの攻撃。2アウト・ランナーなしの場面でネクスト・バッターズ・サークルに田口が現れのだけれど、バッターがアウトになり打席は回ってこなかった。9回の裏の守備でセンターに入り、フライを獲って守備機会1。あくまでも地味キャラぶりを発揮してくれた。試合は7-2でカージナルスの勝利。
ネクスト・バッターズ・サークルで佇む田口

警察の出張所まで戻り預けていたカバンを受け取る。タクシーはどこにいけばひろえるかと尋ねると、こっちに来いといって幹線道路からスタジアムに入るところを指し示される。今日はつまらない試合だったとホーム・チームのファンだと思われる警察官(?)が話しかけてきたので、カージナルスには田口という選手がいて僕は同じ日本人だから田口のいるカージナルスが勝ってハッピーだと説明してみたが、僕の英語力が乏しいのと、田口がやっぱりカージナルスのファン以外には地味なのと、多分両方の理由でちんぷんかんぷんだったみたい。
教えてもらった場所に立ってタクシーが通りかかるのを待つがなかなか来ない。自家用車で家路を目指す人達が目の前をどんどん過ぎ去っていく。1人で立っているとホテルまで無事に帰れるだろうかと心配になってくる。今はまだ駐車場整理の人がスタディアムの入り口で交通整理しているので心強いが、彼らがいなくなった後は?犯罪に巻き込まれたりしちゃったりなんかして・・・。20分くらいは待っただろうか。ようやく、空車のイエローキャブをつかまえてホテルに戻ることができた。
マイアミ・ビーチの南の端あたりにあるJoe's Stone Crabという地元で有名だというシーフード・レストランを訪れた。1913年に創業の老舗。創業当時はランチ・カウンターだけのお店だったという。まだ、マイアミがリゾートになる前だ。今では白とダークグリーンを基調にした店構えでリゾート地の開放性を保ちつつ、エスタブリッシュな雰囲気をかもし出している。
Stone Crab というのはフロリダ半島の大西洋沿岸で獲れるカニの一種でザリガニのように大きいハサミをもつのが特徴。ストーン・クラブのオフシーズンである夏期は休業しているという。5月だったら営業しているはず。いかない手はない。
ストーン・クラブはその特徴の大きなハサミを食べるのだそうだ。4人で訪れたのでハサミ8個いりのMediumを注文する。時価。食べやすいように殻を砕いて供される。ハサミの殻を取り除いてレモン等をつけて食べる。さっぱりした味で癖になる。冷たく冷やしてあって暑いビーチによく似合う。日本にいてこれを食べてもそんなにおいしくはないんじゃないかとも思う。
Joe's Stone CrabのStone Crab

そう言えば、ワシントンD.Cを訪れたときは、トニー&ジョーというレストランでソフトシェルクラブを食べた。同じカニでも随分趣が違う。もちろん、タラバガニや毛ガニ、花咲ガニとも違うのだけれど。
イカのフライをみんなで頼み、僕はシーフード・フライのプレートを別に頼んだのだけれど、これはとても食べ切れなかった。ロブスター、牡蠣、ホタテ等。無念ながら半分ほど残す羽目になってしまい心残り。
イカのフライ(左)と、シーフード・フライのプレート(右)

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Joe's Stone Crab
(800)-780-CRAB(2722)
11 Washington Avenue Miami Beach, FL 33139
2006年05月04日
マイアミのビーチはひたすら真っ直ぐの海岸線、白い砂浜、穏やかでそこそこ遠浅の海が広がる快適な場所だ。特にビーチが真っ直ぐなのか気持ちがいい。右を見ても左を見てもずっと真っ直ぐビーチが続いている。ビーチには夕方に1度、午後の早い時間に1度と2回いくことができた。本当は午前中が一番いいと思うのだけれど今回のスケジュールでは果たせなかった。
夕方に訪れた時にはさすがに空いていたけれど、それでも僕らのように夕方になってからやってくるグループも何組か出くわした。サマータイムの利点を活用して仕事を終えた平日の夕方に家族とビーチでのひと時を過ごそうという人が結構いるようだ。
サマータイムはご存知のとおり、夏の間は日の出が早く、日の入りが遅いので、時間を早めにずらして仕事を済ませ、夕方に太陽が出ている自由時間を多く確保しようという制度。日本は夏と冬で日の出・日の入りの時間の差が多くないことや、残業時間が増えるだけではないかとか、時計をずらすのではなく時計はそのままで出勤時間をずらすほうが社会コストが低い等様々な議論があってなかなか進まないが、マイアミのビーチに佇んでいると、日本でも制度化されるといいのになと思う。
午後の早い時間に訪れるとやはり人出が多い。パラソルやチェアの貸し出しサービスもある。使い終わったのは貸し出しのお姉さんが様子を見計らって片付けていた。たまたま無人のまま放置されたパラソルやチェアを別のグループが勝手に使っているのを見咎めてお金を取りにいったり、なかなか忙しそうだ。
夕方訪れた時よりも日差しが強い。僕らもパラソルとチェアを借りてのんびりと過ごす。ビーチのまわりにはリゾートマンションも多く、パステルカラーや白一色など南国っぽい建物が並ぶ。10年、20年先にリタイアして、こういうところでゆったりとした時間を過ごす自分を想像しようとしてみたのだけれど、うまくいかない。こういうところは時々来るのがよさそうだ。
砂浜からすぐのところでも海の底には貝殻や珊瑚がたくさんあって結構簡単に拾うことができる。ふみまさとHoneyへのお土産にせっせと潜って綺麗なやつを探す。なんといってもアトランティック・オーシャン、大西洋産だ。
マイアミのビーチで

2006年05月02日
NBAのプレイオフ1stラウンド、東部地区2位のマイアミ・ヒートと7位のシカゴ・ブルズが争ったシリーズの第5戦を観戦した。プレイオフ1stラウンドは数年前まで3戦先勝で勝ち抜ける方式が2ndラウンド以降と同じく4戦先勝方式に変更されている。戦前の予想はマイアミ・ヒートの4連勝。第5戦は開催されないだろうと言われていた。
今回の旅で僕が観戦するチャンスがあるのはこの第5戦だけ。出張の時にスポーツ観戦をするのは案外大変で、まず行き先にメジャースポーツのチームがあるかどうかが問題になる。今回のマイアミにはNBAのマイアミ・ヒートとMLBのフロリダ・マーリンズがあるが、例えば合衆国の全部の都市にチームがあるわけじゃない。次にチームがあったとしてもシーズンにあうかどうかという問題もある。今回も冬がシーズンのNFLの試合はそもそも観ようがない。シーズン中だったとしても今度は滞在中にホームゲームがあるか、という問題もある。地元のチームがビジターとして遠征していてはしょうがない。
日本でチケットの手配を始めた時にはまだシーズン中で対戦相手も日程も決まっていない状態だった。その後数日して対戦相手がシカゴ・ブルズに決まったが、公式サイトでは第1戦〜第4戦までのスケジュールしか決まらず、チケットも発売されない。しかたなく非公式サイトで購入することにした。非公式サイトではシーズン・チケットを持っていて、その試合を観にいけない人なんかが売りに出しているようだ。公式サイトでは定価のチケットも非公式サイトでは数倍のプレミア価格になる。まあ、それでもNBAを観戦するチャンスはそうそうないと思って購入することにした。席は中央付近の27列目。実際に座ると、選手が豆粒のように見える席ではなくそれなりに迫力もある。ただ、選手の表情がわかったり、飛び散る汗を目にするような席ではない。そういう席には$1,000以上の値段がついていた。
第5戦のチケットを出発前に確保したので次の心配は試合がおこなわれるかどうかだ。マイアミ・ヒートは第1戦・第2戦のホームゲームを連勝し、シカゴに移動。マイアミの地元ということとスーパースター、シャキール・オニールがいるということでヒートを応援している身ではあるけれど、シカゴにとにかく1勝してもらうしかない。祈りが通じたのか、第3戦でシカゴ・ブルズが勝利し第5戦の開催が決定。安心して日本を出発することができた。
チケットを購入した日から出発日までそんなに日にちがなかったので、日本に送ってもらうのはあきらめて滞在先のホテルに送ってもらうようにしていた。ホテルにチェックインする日にはチケットが届いているはずだというメールを受け取って日本を出発。ところがホテルに到着し、Fedexで送られてるはずのチケットを受け取ろうとすると、そんなものは届いていないという。このホテル、ブロードバンド・インターネットがOKということだったので、ノートPCとLANケーブルは持ってきていたのだけれど、なんとアクセスは無線LAN。よく考えればホテルで無線LANはありがちなんだけれど、この時にはたまたま無線LANカードを持ってくるのを忘れてしまっていた!
しかたなくホテルにある、有料のインターネット接続PCを使う。これは自動販売機のように$1札を挿入して、マウスで開始をクリックすると5分間インターネットが使えるという代物。幸いメールはgmailに転送しているのでOKだと思いきや、このPCには日本語フォントが入っていない!当たり前なんだろうけれど。メールを開いても日本語のところは文字化けするだけ。仕方なくチケットを購入した際の確認メールを開いて、文字化けの嵐の中、チケットを購入したサイトのURLとメールアドレスを探しだした。
まずはどうなっているのか確認するメールを送る。日本語が入力できないので仕方なくローマ字で打ち込む。実際のメールはこう打ち込んだ。
ticket ga hotel ni todoiteimasen.結局、この後何度かメールと国際電話でやり取りがあって、購入したチケットは米国のディーラーがマイアミ・ヒートの4連勝でゲームが無くなることを心配して送付するのを保留していたためですぐに送るということと、申し込んだチケットはダブルブッキングで手に入らず同じゾーンの別のチケットになるためその分割引するとのこと。ゲームがあるかどうか心配云々は数日前の第3戦でシカゴが勝利した時点で無用の話だし、席が変わることとあわせて考えれば僕のオーダーは放置されていたんじゃないかと思うんだけれど。ともあれ、その席が変更になったチケットは無事に試合当日の午前中にホテルに届き、僕は外出先からホテルまでチケットを取りに戻ってからスタジアムに向かうはめになったけれど、試合を観戦することができた。
fedex no tracking service de shirabetemitemo fedex de uketuke saretekara update sarete imasen.
asuniha todokuto omotte iinodeshouka?
熱戦の舞台、アメリカンエアラインズ・アリーナに掲げられた選手のポスター
中央にはスーパースター、シャキール・オニール(奥)と若きエース、ドゥウェイン・ウェイド(手前)

試合は第1クォーターをマイアミが25-19でリードするが、第2Qは15-19でリードを詰められ、ハーフタイムを挟んで第3Qはお互いリードを奪い合う展開になり21-23。トータルで61-61の同点になり勝敗は第4Qに委ねられることになった。バスケットボールの試合では勝つチームも負けるチームも大体80〜120点くらいのスコアになる。1度に入る点数は通常2点、遠いゾーンからのシュートだと3点、ファールに与えられるフリースローは1投1点。これだけの点数が小刻みに入るゲームなのに、勝敗を決するのは2,3点ということが多い。第4Qが終わって同点の場合にはオーバータイム(OT)という延長戦に入るのだけれど、このOTに入る試合も珍しくなくてシーズン中には1試合くらいはOTで決着が付いている。全体のスコアの中の100分の1点なのに!不思議なスポーツだ。そして、胃が痛くなるスポーツだと思う。
NBAプレイオフ1stラウンド第5戦 マイアミ・ヒートvsシカゴ・ブルズの試合開始

例えばサッカーなんかは同じ1点を争うスポーツだけれど、なかなかゴールが入らない。1チームで2点もとれば上出来。自然と観ているほうはゴールが決まらないフラストレーションを溜めに溜めて、ゴールの瞬間に「ウォーっ」と一気に発散させる観戦形態になる。バスケットボールは相手の攻撃を防いでホッとするとすぐに自分のチームの攻撃が決まるか心配になる。相手の攻撃が決まり、自分の攻撃が防がれ、また相手の攻撃が決まる。もう4点差もつけられた。ここで攻撃が失敗して相手に決められたらもう追いつけないかもしれない・・・。10点リードしていても、流れを交互に変わっていくので相手チームがみるみる追い上げると、もう3点差まで追いつかれた・・・このままじゃ逆転されてしまう・・・と心配になる。この小刻み感が胃を痛くする。観戦の時の心理状態として似ているのはテニスだ。テニスもサービスとレシーブにわかれ、1ポイントづつ刻みながら、ゲームを取りセットを取り勝敗を決していく。心理戦の様相が強い。
第4Qは序盤でマイアミ・ヒートがリードを奪い、そのリードをキープしていくことができて安心して観ていられる展開になった。第3Qまでバスケットボール特有のドキドキ状態が続いたので、これはこれで十分満足。あとはヒートの勝利を見届けようと思いながら観戦を続ける。マイアミ・ヒートはセンターのシャキール・オニールやアロンゾ・モーニングしか僕が知っている選手がいなかったのだけれど、実はガードのドゥウェイン・ウェイドという選手がエースなのだそうだ。シャックやモーニングが30歳台の中盤に差し掛かり衰えが見えてきているのに対してウェイドは24歳で10歳以上若く、これからのヒートを引っ張っていくことになりそう。このゲームでも28点を獲得し、両チームあわせても最多得点者となった。最終盤ではファール・ゲームも少しあり、第4Qは31-17、トータルでは92-78でマイアミ・ヒートがシカゴ・ブルズを下した。対戦成績はヒートの3勝2敗。2ndラウンド進出に王手をかけることができた。
マイアミ・ヒートがシカゴ・ブルズを92-78で下す
スクリーンにはシャック

2006年05月01日
Everglades National Park(エバーグレイズ国立公園)はフロリダ半島の南部に位置する湿地帯。正確にはフロリダ半島の南端から50マイル北にある湖を水源とし、50マイルで数十cm分しか高度差のない非常に緩やかな川、なのだそうだ。この特殊な環境ゆえに貴重な生態系を維持していて世界遺産に登録されている。マイアミが観光地・リゾート地として栄えるにつれ、水需要の増大と排水による汚染によって環境破壊が進み世界遺産の危機遺産リストにも登録されるに至っている。10年程前だろうか、環境ホルモンが話題になったときに、ボートに乗った自然保護官がペニスの短いワニが大量に発見する映像をNHKのドキュメンタリーでしきりに放送していたのを覚えているかたもいらっしゃると思うのだけれど、あれがエバーグレーズ国立公園の湿地帯だった、というわけだ。
エバーグレーズ国立公園は膨大に広い。google mapsでフロリダ半島の南端を見てみると広大な緑一色のエリアがある。そこがエバーグレーズ国立公園だ。公園の中にはErnest F. Coe、Royal Palm、Flamingo、Shark Valley、Gulf Coastという5つのVisitor Centerがある。エバーグレーズ国立公園の表玄関は公園の東側中央部のErnest F. Coe Visitor Centerで、そこから少し奥に入るとRoyal Palm Visitor Centerがある。このあたりがRoyal Palmエリアになるのだけれど今回はここには立ち寄らなかった。公園の入り口には「World Heritage」と世界遺産に登録されていることを示すプレートもあるようで1観光客としては行ってみたかったのだけれど、とても全てはまわりきれない。公園の南部にはFlamingo Visitor Centerがあり、Flamingoエリアと呼ばれている。このあたりはハリケーン・カトリーナとハリケーン・ウィルマの被害を受け、今も復旧の最中で規模を縮小して公開しているそうだ。ここにも今回は足を伸ばさなかった。
僕が訪ねたのはGulf CoastとShark Valleyだ。マイアミからざっと100マイルほど、ひたすら西にクルマを走らせて、ちょうどフロリダ半島を横断するとGulf Coast Visitor Centerに到着する。荒野にただただ真っ直ぐな道を造ったということなんだろう、道は真西に真っ直ぐ伸びていて行程の真ん中あたりで1度北西方向に曲がり10マイルほど進んで真西に戻る。開拓者の国、アメリカを感じる。道路は片側1車線で中央分離帯のない対面走行、でも道幅はそこそこ広い。それで制限速度は60マイルだから時速に直すと100km弱。この道であれば日本だったら制限速度はよくて80km/h、ひょっとしたら60km/hなんてことになるかもしれない。実情にあわない制限速度にして、その制限速度が守られることを前提にした安全対策を施すというのは砂上の楼閣ではないかと思うのだけれど。
なにしろ移動だけで何時間もかかってしまうこともあって少し気持ちが前掛かりになってしまっていて、気が付いたら(?)この道を時速70〜80マイルで走っていた。この速度だと対向車が大型車両だったりするとちょっと恐い。でも、まあ大丈夫。そうして例の2回のカーブを越えたあたりでふとバックミラーを見ると、非常灯をともしたパトカーが後ろに張り付いていた。あわてて脇に停車する。こういう時はどうするんだっけ?とにかくじっとしてないといけないんだったかな・・・。違反として取り締まられたら日本の反則キップとは全然違う制度なんだろうか。どこかに出頭とかしないといけないんだろうか・・・。警察官が運転席のドアの向こうに現われる。窓を開けると免許証を見せろと言われ、国際免許証と日本の免許証の両方を見せる。「合衆国の法律は知ってるか?」「はい・・・」「ここは時速60マイルまでだ」「はい・・・」「気をつけて運転してくれ」「はい・・・」結局お咎めなしで開放してもらえた。ラッキ−。その後は当然60マイルをキープ。それにしてもこれだけ広いエリアでパトカーとは対向車としてすれ違ってもいないので、誰かが通報したのか、衛星か何かで監視してたりするのだろうか。
そうしてようやくGulf Coast Visitor Centerに到着。エバーグレーズ国立公園は雨季にあたる1月から4月までがハイシーズンのようで5月に入った今の時期はオフシーズンのようだ。そのせいなのか、そもそもこれくらいの人出なのか、Visitor Centerのあたりは閑散としている。それでもアメリカ人の家族やカップルが数組。ここでは1時間30分のボートツアーのアクティビティが提供されている。Gulf Coastはフロリダ半島の西側で、東側のマイアミが大西洋に面しているのに対し、こちらはメキシコ湾に面している。Gulf Coastエリアで水源の湖から流れてきた淡水とメキシコ湾の海水が合流している。Gulf Coastエリアには1万個の島があると言われ、海水と淡水が入り交じる沿岸に生育するマングローブが生い茂っているという。僕はボート・ツアーに参加しようとここまでやってきたので、もちろん参加してみた。ボートは珍しい動植物の観察できるゾーンでは速度を落として解説も交えながら進んでいくのだけれど、残念ながら英語力がおぼつかなくて解説のほうはあんまり理解できなかった。マングローブの茂る島々、その間を飛んでいく鳥たち、保護区なので誰もいない美しい砂浜等を眺めながら巡っていく。途中でイルカが見れるというゾーンがあってボートに乗っている公園のガイドと観光客全員で周りを見回したのだけれど結局イルカには会えずじまいだった。ちょっと残念だけれど自然相手なんだからしょうがない。
ガルフコーストのボート・ツアーからの眺め

Gulf Coastを後にして、Shark Valley Visitor Centerを目指す。Shark ValleyはマイアミからGulf Coastに向かうのに通った道を真ん中のあたりまで引き返したところにある。だけれどその前にお昼ご飯の時間だ。途中にJOANIE'S BLUE CRAB CAFEというエバーグレイズ湿地帯で捕れたアリゲータ料理を出してくれる有名なレストランにいってみたのだけれどCLOSEDとのこと。定休日?よくわからないけれど諦めてShark Valleyの近くにあったレストランに入る。と、ここにもエバーグレーズで獲れた「白身魚のフライ1きれ、カエルの足のフライ3本、アリゲータのフライ4個にコールスローとフライドポテトに揚げパン」というプレートのメニューがあり注文してみた。カエルは数年前に名古屋でHoneyがカエル入りラーメンを頼んだときに僕はどうしても食べることができなかったのだけれど、今回はほとんど何の抵抗もなく口にした。自分から能動的に動いたときには心理的ハードルが違うのだろう。よく言われるように鶏肉のような淡白な味だ。白身魚はCatfishという種類なんだけれどまあ普通の白身魚。淡白な味という以外になんということはない。アリゲーターはとにかく噛み切るのが大変で味よりもそのことの印象が強い。硬さは部位によって違うみたいで2切れ目はすっと食べることができた。まあ、いい記念になったというところだ。
エバーグレーズ産のフライ・プレート
手前:白身魚、真ん中:ワニ、奥:カエル

Shark Valley Visitor Centerは前にも述べたとおり、マイアミからGulf Coastに至る道路の中ほどにある。この道路はエバーグレーズ国立公園の北側の境界にそって走っている。Visitor Centerからは公園の内側である南に向かい途中で北に向きを変えて戻ってくる往復30〜40kmほどの散策ルートが用意されている。自転車をレンタルして見てまわることもできるし、Visitor Centerのまわりであれば歩いてまわることもできる。僕はトラム・ツアーという日本でも観光地によくある1列に何人かが並んで座れるイスが何列もあって屋根と横の囲いはあるけれど窓の位置には柱しかないオープンなクルマに乗ってこのコースを2時間かけて1周するツアーに参加した。湿地帯は乾季ということで水がほとんどなく、ところどころ池になった水が残っているところがある。そういう場所ではGulf Coastのボート・ツアーの時に見た鳥をみることができた。道路わきの水路に時々ワニを見かけることができる。ソーグラスの木々。折り返し地点ではクルマから全員降りて、エバーグレーズのシンボルの1つ、タワーに登ることができた。このタワーは螺旋上のスロープで頂上に登ることができる真っ白なタワーでなかなか面白い形だし壮観でもある。登る途中で眼下の池にワニを見ることができるし、頂上からの360°の眺めは素晴らしい。このタワーのような場所は写真ではなかなか全貌を捉えることができないのでビデオの出番だと張り切るのだけれど、ちょうどこのタイミングで調子が悪くなってしまって、この後はカメラだけになった。残念。復路ではクルマが通る道にカメやワニが乗り出してきていて見応えがあった。そういえばお昼ご飯の時にカメ料理はでてこなかったな。
エバーグレーズのシンボル、シャークバレーにある純白のタワー

シャークバレーのトラム・ツアーで観れるワニとカメ

本当はこの後、エバーグレーズ国立公園の周辺のレジャー施設で、エアーボートというスクリューが無くてボートの後ろに大型の扇風機のようなものが付いたボートで水深の浅い湿地帯を巡るツアーにも参加したかったのだけれど、もう戻らないといけない時間になってしまい、涙をのんで諦めることにした。もう多分、生涯ここに来ることはないだろう。あ、あそこにワニがいた!ようやく見つけたよ的な観光をしながらも、開発と自然の両立ということを考えさせてくれる貴重な場所だと思う。
