諸般の事情で引っ越すことになった。引っ越しは独身の時に転勤で1回、結婚した時に1回、今回で3回目だ。回を追うごとに家族も増えて、手続きも多くなっている気がする。なかでも今回一番気になるのは保育園だ。
ふみまさはHoneyの育児休暇が終わったちょうど1歳のときに無認可の保育園に入園した。認可園は定員オーバーで年度の途中には入園できないことが多い。僕らの場合も次の年の4月に認可の保育園に入園した。この時はふみまさもまだ1歳半で、本人の中ではひょっとしたらショックがあったのかもしれないけれど、様子を見る限りスムースに新しい保育園に馴染んでくれたんじゃないかと思っている。
今回は3歳2ヶ月。普段の会話のなかに保育園の友達の名前が頻繁にでてくるようになっている。自分のまわりとの関係が全と比べえ圧倒的に強い。前の時はふみまさに説明らしい説明をすることなく転園したけれど、今回はそういうわけにはいかない。引っ越しする日をいつにするかある程度僕らで決めることができたので、引っ越しをいつにして、ふみまさにはいつどうやって伝えるか、Honeyと相談を繰り返すことになった。
結局、引っ越しの前後に正月の帰省を挟んだほうが新しい園にスムーズに入っていけるのではないかと思って、年も押し迫ったこの日に引っ越しをすることに決めた。いまの保育園には1ヶ月以上前には伝えないといけないし、保育園に伝えて僕ら以外の人からふみまさに伝わるのは良くないと思ったので11月の下旬に僕から伝えることにした。
ちょうどこの頃、引っ越し先を下見や新しく買った家具の搬入などで週末毎に訪れていた。引っ越し先は荷物は何もないし、電気などもまだ通っていない。ふみまさが名づけたのは「さみしいおうち」
僕からふみまさに「今度、さみしいおうちで暮らすことになったよ」と切り出した。「ふみくんのおもちゃはどうするの?」「おもちゃも全部さみしいおうちに持っていくよ」「机は?冷蔵庫は?テレビは?」「全部、全部持っていって、さみしいおうちは、にぎやかなおうちになるんだよ」Honeyと僕が交わす会話をいつのまにか聞いていたということなのだろうか、ふみまさは「どうして?」と聞いたり、「嫌だ!」とごねたりすることもなく、「わかった?」と僕が尋ねると、うんと静かに頷いてみせた。
引越しの荷造り完了

ちょうどこの頃に読んでいた絵本の1冊がたまたまクマくんのひっこしというのだった。クマくんの一家が引っ越す。その引っ越しの日、荷物を車に積んで出発するのだけれど、クマくんは忘れ物があるような気がして仕方がない。家に引き返して家中探してみるのだけれど忘れ物は見当たらない。クマくんはからっぽになった家中を探しながらそこにいろんな物が置いてあった様子を思い浮かべつつ全部の部屋にさようならを言っていく。そして忘れ物はさようならを言うことだったと気づく。僕が読んでもちょっと切なくなる絵本。
引っ越し業者の人が荷物を全部搬出して、からっぽになった家に、ふみまさも「さようなら」を言って出発した。
