熱海七湯巡りを終えて旅館に戻る。古屋旅館の門は黒澤明監督の映画「影武者」で使用された門だそうだ。武士の兜のような個性的な形をしている。門の一番上に武田菱が施してあり、武田門と呼んでいるという。まわりと調和しているというより、調和を乱すことで存在感を強めているような門。

門をくぐって正面には、オロチ松と名づけられた松が出迎えてくれる。大蛇が地を這うようにうねっている形なのだそうだ。そんなに大きな木ではないのだけれど、なかなか面白い形だと思う。門とオロチ松とそれぞれ記念撮影。

部屋にはもどり、汗もかいたし、少し寒くて身体も冷えたので温泉に入る。父・ふみまさ・僕の男性3名が部屋の露天風呂にまず入ることになった。Honeyは大浴場に。部屋の奥庭の軒先に大きな檜の樽が設置されている、シンプルというか豪快な造り。お湯が溢れるところは檜で床にしてあって、隙間から下に流れていく。下には排水設備があるのだろうけれど見えなくしてある。洗い場はなくて、床のところでかかり湯して浸かる。身体を洗いたいときには部屋にユニットバスがあるのでそちらを利用するか大浴場にいくことになる。

大人2人までだったら窮屈なく入ることができる。七湯巡りの清左衛門の湯の源泉掛け流し。
塩素はもちろん、薬品による殺菌などもー切おこなっておらず、"本物の温泉"に24時間好きなだけお浸かりいただき、その効能を十分お楽しみいただけます。どんなに格好の良いお風呂だとしても、本物の温泉でなければそれはお客様を騙すことになってしまうのでは、との危機感から、お風呂の数をむやみに増やさずに当館は本物の温泉を守り続けます。街中のため絶景風呂とはいきませんが、数百年湧き続ける本物の温泉を是非お楽しみくださいませ。(古屋旅館のサイトより)ちょっといいと思いませんか。
熱海という土地柄だろうか、洗練された感じはあまり受けないのだけれど歴史を刻んできた自負と、その自負に裏打ちされたもてなしの気持ちは確かに感じる旅館だ。
父がふみまさを抱いてお湯に浸かる。僕はカメラを取りに部屋に戻って2人の様子を撮影する。露店風呂はこの静けさが好きだ。屋内の風呂だと音が反響して、どうしても賑やかになってしまう。部屋風呂だから僕たち以外には誰もいない。僕たちがたてる音もどこか遠くに消えていく。のんびり。
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古屋旅館
0557-81-0001
静岡県熱海市東海岸町5-24
