[読書] 孤独の発明
難解な小説。「見えない人間の肖像」「記憶の書」の2編が収められている。「見えない人間の肖像」は主人公の父親探しの物語。主人公の父親は社会的にも成功し一見普通に暮らしているが、自分をさらけ出すということを全くせず他人と関与することを拒絶しながら生きてきた。主人公はそんな仮面の向こうに本当の父親が隠れているはずだという想いを持っていて、父親の訃報を聞きなんとか本当の父親が見つからないか苦闘する。
「記憶の書」は「見えない人間の肖像」の主人公と同一人物と思しき主人公が、荒廃したマンションの一室で書くことの孤独について綴った物語。同じく父と子の関係が重要なテーマになっている。今度は主人公と彼の息子の関係に重心が移っていると思う。まだ物心ついていない幼い息子と遊びながら、この記憶は永遠に失われるのだとなんとなく寂しく述懐するシーンに共感してしまうのは僕自身の今の境遇にやはり関係しているのだろう。
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孤独の発明

著者:ポール・オースター
出版社:新潮社
ISBN:410245103X
発行:1996/4/1
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