[読書] 京都「菊乃井」大女将の人育て、商い育て

 おばあさんから現役世代へのお説教話。でも面白い。著者の村田英子さんは西陣帯問屋に生まれ、菊乃井の二代目を継ぐ男性と結婚し、40年間女将としてお座敷に出続け、数年前に三代目の奥さんに女将を譲り大女将に就任した。結婚前におばあさんから受けた花嫁修行と、結婚した後に創業者であるお義父さんから受けた女将修行の内容、それを著者がどのように受け止めどう振舞ってきたか、また、今の世代の人にどういうことを望むのかといったことが書かれている。
 当然苦労いっぱいだったはずだがそれはあまり表に出さず、難題をどうやって乗り越えてきのか、その心構えを自信をもって伝えている。印象に残っているのは著者の現代的な感覚。跡取り息子さんのお嫁さん探しのことを書いた章に「嫁探しプロジェクト」というタイトルを付けたり言葉の感覚的にも読んでいて世代の差を感じない。一方で縁談にあたっては必ず八卦見に相談する等の昔ながらの風習も守っていて面白い。
 もうひとつは向上心。ハイクラスの人達と付き合っていきたいと思って女将の仕事に興味をもち、今もその気持ちを持ち続けているとのこと。すべての原動力がこれなんだろうと思う。仲居さんの採用にあたっても、じじむさく感じさせるもっさりした人はだめだそうだ。
 仲居さんや料理人に対して面倒見のよさと、サービス業のプロとしての高い要求。行儀については耳の痛いことばが続く。「けじめがでけんもんは出世しない。」 お年寄りの言うことは聞いておくものだ、と思う。

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京都「菊乃井」大女将の人育て、商い育て
著者:村田英子
出版社:朝日新聞社
ISBN:4022578858
発行日:2003/11/14

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投稿者 yhiroaki (2004年02月21日 12:27) | http://hilog.net/mt/mt-tb.cgi/300


コメント

京都では、有名な老舗で格式の高い料理旅館ですよね
口の堅いのが老舗の女将と思っていましたが、本を出しているんですね。一寸吃驚。
その興味で読んで見たいですね。

投稿者: Honey Mam : 2004年02月27日 21:38

本の中でも女将の心得として口が堅いことが挙げられていました。「今うちの会社のヒト来てるでしょう」とかカマをかけられても絶対言わないし、仲居さんにも別の部屋のことはわからないと言うように指導しているそうですよ。

投稿者: yhiroaki : 2004年02月27日 22:17
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